北朝鮮 キム総書記 「重大な軍事的対策」を命令 米韓けん制か

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、軍の戦争準備をさらに攻勢的に進めるとして「重大な軍事的対策」を命令し、実戦訓練を積極的に展開すべきだと強調しました。今月下旬に行われる見通しのアメリカ軍と韓国軍による合同軍事演習を強くけん制するねらいがあるとみられます。

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、朝鮮労働党の中央軍事委員会の拡大会議が9日開かれ、キム・ジョンウン総書記が出席したと伝えました。

この中でキム総書記は、軍の戦争準備をさらに攻勢的に進めるとして「重大な軍事的対策」に関する命令書に署名するとともに、新型の武装装備を用いた実戦訓練を積極的に展開すべきだと強調したということです。

また会議では、軍の総参謀長を交代させ、来月9日の建国75年に合わせて民兵組織による閲兵式を準備することも決めました。

公開された写真には、キム総書記が朝鮮半島の地図とみられるものを前に話をする様子が写っていて、韓国の通信社、連合ニュースは、指し示しているのは、韓国の首都ソウルや、陸海空軍の本部がある中部ケリョンデ(鶏龍台)付近だという見方を伝えています。

この会議が開かれたのは「攻撃作戦計画」を決定したことし4月以来で、そのときは会議の3日後に、固体燃料式の新型ICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星18型」の発射実験を初めて実施した経緯があります。

今回の会議は、さらなる軍事挑発を示唆することで、今月下旬に行われる見通しのアメリカ軍と韓国軍による合同軍事演習を強くけん制するねらいがあるとみられます。